2015年12月8日火曜日

高価なシステムの単純な欠陥

 どうも、ふーでです。先日友人から「アンプを修理してくれ」と依頼がありまして、簡素なビニール袋に入れられたヘッドフォンアンプとUSB-DACが手渡されました。が、しかし。家に帰って開けてみれば、そんな簡単なものではなかったのです。

手渡されたシステム。見た目からしてヤバい。

 これ、イタリアのCarot One社というミニマム・ハイエンド・ブランドで、左側は据え置き型プリ/ヘッドフォンアンプ「FABRIZIOLO EX」。
 これはFABRIZIOLOという据え置き型のプリ/ヘッドフォンアンプのパーツを高音質パーツに差し替え、日本で真空管のバイアス調整をしたエクスクルーシヴ・エディションと呼ばれるものです。その証拠に、真空管の周りにヘアライン仕上げのシルバーリングがあるのです。およそ\35,800。

 それに右側はプリアンプ機能付きUSB DAC「PACOLO」。\39,800程度。

 何と両方合わせておよそ\75,600程。私はこんなもの触れたこともない……と恐る恐る修理に。ちなみに、これは修理後の写真です。

電源を入れるとFABRIZIOLO EXは真空管をLEDが照らす。個人的には真空管はヴィンテージと思っているのでこういう新しいデザインはちょっと……と思ってしまう。(が、コストから試作は現行型を使う。)


 それで開けずに一つ分かったのは、FABRIZIOLO EXの真空管保護用のアクリルがもう取れていたという事です。抜いたら底部分は接着剤で接着されていた形跡がありました。そうしてとりあえずと言って真空管を手元にあった元から入っていたものと同型のJJ製のECC802Sと交換したら音が出ました。びっくりするほど簡単な事で、球がダメになっていただけの話だったのですね。これは開けずに修理できてちょっと安心しました。その後アクリルサンデーで保護カバーの接着をして一台完了。


 次にPACOLOですが、こいつは電源が入らない。色々試してみましたが、結局開ける羽目に。まあ保証切れているし最悪の場合聞こえないんだから壊れても良いなんて言っていたので恐る恐る分解。内部の写真は撮っていませんが、こいつは電源ジャックに不良がありました。足が折れていたのです。何がどうしたらそうなるのかは知りませんが、とにかく手元にあった同規格のものと交換したら動きました。

 材料費は真空管入れておよそ\1,890。何と安いのでしょうか。友人には材料費だけ請求したら、泣いて喜んでいました。(誇張)

FABRIZIOLO EX。ついでに表面をアルコールで綺麗にしました。

PACOLO。この表示、解説書無いのでよくわからなかったのです。


 実は修理してちょっとだけ音を聴きましたが、あまりわからなかったという……。私は耳が弱いのでしょうか。確かに変わったと言えば変わりましたが、あまり劇的な変化は感じませんでしたね。しかし、まあ、何となく場が広がるというか。正直組み合わせに左右される機材でした。微妙、といいますか。PACOLOは変わるというよりこれも聴いて分かるものではありませんでした……。

 以上、修復でした。これを会社に送ると一体いくら請求されるのでしょう。簡単な工作ができるだけでこんな事にも使えます。もちろんもっと日常的なものの修理もできますよ。家電だって見られますし。ただ、メーカ保証を捨てないといけませんね。

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